豊恵会のおさらい会

おさらい会

 今日はYuの三味線のお師匠さん率いる三味線の会「豊恵会」年末恒例の発表会「おさらい会」に出演。といっても三味線を演奏する筈はなく、担当はパーカッション。それも純邦楽の演奏会だけに音色は鼓(つづみ)に太鼓に鈴などなど。それをMIDIパッドを叩いて演奏するのである。ビジュアル的にはかなり微妙?。しかしこのMIDIパッド鼓演奏、侮るなかれ、なかなか難しいのだ。なんせ邦楽の世界ではリズムやテンポの概念そのものが独特で、小さい頃から洋楽中心の環境で育ってきた現代人には、なかなか勘がつかめない部分があるように思う。まぁ僕はもともとパーカッションなんて素人だから、へたくそで当然なんだけど、四苦八苦しながらどうにか本番に間に合わせた。
  それにしても、そもそも学校教育はなんで洋楽中心なんだろう。それがいいか悪いかはともかく、こうした日本の伝統音楽は、多くの現代人にとって、よほど興味がある変わり者とか、親が三味線屋だとか、何かの機会でもない限り接することすらなかなか無いと思う。音楽にしても、楽器にしても、あるいは刃物などの伝統的な道具類や、それらから生み出される建築物などなど、外向けには「日本文化」として自慢げに謳われているものの多くが、こうしたごく一部の人たちの小さな世界によって、支え伝えられているのではないだろうか。それを同じ日本人ということでなんとなく自分たちの文化だと認識しているが、実際のところ何も知らない。なんだか不思議な現象だと思う。そう考えると、こうしてMIDIパッドという現代の力を借りながら演奏に参加させていただけるのは、貴重な体験だと思う反面、なんだか自分が外国人になったような、妙な気分になるのである。