クリキンディのように

「人助け」という言葉は好きじゃない。自分は平和で裕福に暮らしているので困っている人に分けてやろう、なんて考えも、どこか不快感を感じる・・・。21世紀を迎え、地球は思っていたほど寛大な宇宙ではなく、小さな儚い惑星であることは、もう誰でも知っている。そしてその脆い地球を壊滅しうる影響力を今や人類は手にしている。だからこそ私たちは、人間も動物も、全ての生物、あるいは全ての物質までも、お互いに影響し合いながら微妙なバランスを保って、この地球という生命環境を共に構成しているのだ、ということをもう一度思い出さなくちゃならない。自分だけが恵まれようとすれば、そのしわ寄せは必ずどこかによせられるだろう。それは結局自分の所へと戻って来る。全ては繋がっているのだ。アメリカ先住民にこんな物語が言い伝えられている。
・・・森が燃えていました。
森の生き物たちは、われ先にと逃げていきました。
でもクリキンディという名のハチドリだけが行ったり来たり、
クチバシで水のしずくを一滴ずつ運んでは火の上に落としていきます。
動物たちがそれを見て
「そんなことをしていったい何になるんだ」といって笑います。
クリキンディはこう答えました
「私にできることをしているだけ」

一人がどれだけのことをしたかではなく、一人一人がまずできることをする。このごく簡単なことが、ごく当たり前な世界になれたら・・・。Landmine clearance campaignというイベントに参加して、そんな事を考えた。