その3(下の方から読み始めてください)

awatomo2005-04-05


>その2からの続き

●子供都市に「あわ屋」参上

さて、ジャイアントトらやんのCGアニメ制作には、青木君によるオープニング映像に使うほかにもう一つ目的があった。それは「あわ屋」ライブ用のVJ映像として使うというものだ。実はこの子供都市計画に参加し始める当初ヤノベさんにお誘いされていたことに、この金沢21世紀美術館の会場で僕の音楽ユニット「あわ屋」でライブパフォーマンスをしてみたらどうか、というお話があった。しかし本来現代美術家ヤノベケンジさんの個展であるべき会場で「あわ屋」のライブ出演というのはどうしたものか、と初めは正直いまいちイメージが湧かなかった。滞在制作の現場とはいえ現代美術の展示会場で、何の脈略もなくライブをやっても唐突すぎると思ったからだ。そこで思案の末思いついたのが「御開祭祀-オヒラキマツリ-」だった。これは十数メートルを目標に建造される「ジャイアントトらやん」を一種の「巨神」として祭り上げ、それを建造する聖地を清め巨神を迎え入れる儀式として披露したライブパフォーマンスだった。タイトルの「オヒラキマツリ」は、日本神話に登場する巨大な神「猿田彦神」の、年に一度の奉納祭「御開き祭り」から拝借したもの。もちろん「トらやん」も「あわ屋」も日本神話には何の関連も無いのだが、ヤノベさん自身おっしゃる様にもともと得体の知れない存在のトらやんのこと、一つ解釈の仕方としてこういう方向もありではないだろうかと思ったのである。しかし、この儀式的ライブのせいだろうか、計画当初のスケッチに比べて後に完成したジャイアントトらやんはずっと神々しいデザインになっていたし、その性格もはっきり「巨神」「子供都市の守り神」などと呼ばれるようになっていたのは、正直うれしい誤算であった。
ともかく、かくして「あわ屋」のライブは子供都市計画研究所オープニングイベントライブとして盛大に行われ、ジャイアントトらやんCGもVJ作家Mizunoさんのアレンジも加わって見事なライブ用映像として完成、たくさんのお客さんの見守るなか大きくプロジェクション投影された。こんなステージを用意してくださったヤノベさんには本当に感謝!であります。

「御開祭祀」のページはコチラ
http://homepage.mac.com/nutmegnet/tomokichi/work/live/ohiraki.html

しかし、この時点ではまだ自分達の儀式で神降ろしした巨神「ジャイアントトらやん」を、まさか自分で作ることになるとは思いもしないのであった・・・。

次回に続く・・・